思えば1989年のマルタ会談で東西冷戦が終結するまで、ソ連の恐怖は世界に影を落としており、空母ミンスクがたびたび対馬海峡を通過して日本の平和を脅かしていました。しかしマルタ会談と時を同じくしてベルリンの壁が崩壊し、東欧の共産主義国家が次々と崩壊し、西側諸国はグローバリゼーションの旗印の下で平和を享受してきました。
その一方で、1985年のプラザ合意と共に円高時代が到来し、日本の製造業は次々と海外特に中国に進出することを余儀なくされ、空洞化が進行していきました。当時、重工メーカーのエンジニアだった私は「1ドル80円時代が来たら国内製造業は壊滅」などと怯えていたことを思い出します。