「経営者へのメッセージ」を更新しました。
平成28年1月に会長から税理士法人 児島会計の代表を引き継ぎ、5年が経過しました。クライアントの皆様の日頃のご愛顧に感謝いたします。児島会計は開業以来50年を経過しましたが、今後もお客様と共に次の50年へと歩みを進めていきたいと思っております。
昨年の令和2年は、武漢に始まった新型コロナウィルスが世界を席巻し、約100年前(1918年から1920年)のスペイン風邪パンデミック(1億人超が死亡との説あり)の再来を思わせるような状況に驚いた方も多かったことと思います。
この影響で、令和2年4月7日から日本でも大都市圏で緊急事態宣言が発令され、これに伴う休校措置や在宅勤務の推奨、自粛警察の活躍など戦争状態かと思うような事態になりましたが、この影響はGDPの減少として跳ね返ることになり、日本に限らず各国の財政を苦しめることになろうかと思われます。
令和3年も1月8日から緊急事態宣言が発令されておりますが、これが予定通り1か月で終了するかどうか、私は難しいと考えております。
令和2年は前年のような首都圏直撃の大きな台風もなく天候は安定していましたが、これが逆に農産物の値崩れを引き起こし、せっかく丹精込めた作物を廃棄せざるを得なかった農家の方々の心中察するに余りあります。
そんな中、アメリカ合衆国では大統領選挙が行われ現職のトランプ氏が敗れました。バイデン氏の政策は未知数であり、各国との協調を取るだろうと言う期待と、圧力を高める中国に押されるのではと言う懸念が入り混じった状態が令和3年の年始の状況かと思います。
振り返ってみると令和2年も「リスク」と言うものを考えさせられる一年でした。
1.未知の疾病が出現した時、検査方法、対症療法の薬、ワクチンの3点セットの整備が必要になりますが、PCR検査の信頼性は70%と低く、ワクチンの接種も開始されておらず、対抗するための武器が揃っていない状況と言えます。この状況で、各国は渡航制限や都市封鎖などで感染爆発を遅らせようとしていますが、水際対策の究極が鎖国であるところ、この時代に鎖国などすれば国民が困窮するというのは自明であり、どの国も感染爆発防止と経済政策のバランスの中で苦しい状況が続いています。個人としての感染リスクもそうですが、予測不能の自粛要請などのリスクが発現し、苦しんでおられる経営者の方々も多いと思います。一方でこれを商機として上手く新規需要を捉え業績回復を果たした経営者の方々もいらっしゃいます。
2.天候不順によって凶作になるリスクだけでなく、天候が順調すぎることで過剰な豊作になり出荷調整が必要になるリスクもあり、リスクは経営者が備えている方向の反対側から発現することがあります。
3.令和2年はコロナ影響により税務調査の件数が絞られたため、資産家を中心にポイントを絞った調査が行われました。詳細は伏せますが、思いもよらぬ論点が調査官から提示されることもありました。また今後はコロナ禍からの回復と同時に、財政再建を旗印に課税強化が行われることが予想されます。資産家の方々は課税強化と言うリスクに備えた資産の見直しを考える必要があるでしょう。
経営とは次々と発現してくるリスクへの対応と言っても過言ではないかと思います。組織がリターンを得るためにはリスクを取らねばならないからです。リスクを識別し、対応策を考え、発現してしまった場合には火消しに追われと、あっという間に毎日が過ぎていってしまいます。そんな中で会計事務所にはレーダーとしての役割があります。レーダーがあることでパイロットである経営者は状況を客観的に把握しつつ目的地を目指すことが出来るのです。
私たちは経営者の皆様を支えるべく高度で高品質な専門性の研鑽に努め、クライアントのニーズに合ったコンサルティング技法を十分活用し、皆様の事業経営が成功されますよう支えることをお約束いたします。